債務整理(任意整理)は2回目でも可能?

目次
2回目の任意整理
債務整理とは、借金を整理する行為の総称です。狭義の意味では、裁判手続を行うことなく、業者との交渉で債務を減らすことが出来る「任意整理」のことを指す場合もあるようです。
ただし、本来は任意整理だけでなく、自己破産や個人再生などの手続きも債務整理に含まれます。
債務整理(任意整理)を経験した後で再び借金を重ねてしまい、もう一度借金を整理したいという人は意外と多いようです。
このページでは、もう一度、任意整理をして借金の減額を検討している方に向けて説明をしていきます。
任意整理とは

2回目の任意整理に関する説明をする前に、任意整理手続の内容をおさらいの意味で振り返っておきましょう。
【関連ぺージ】 任意整理とは
任意整理とは、貸金業者との交渉により、借金の総額や毎月の返済額の減額を図ることが出来る債務整理手続の一つです。
自己破産や個人再生、特定調停などといった他の債務整理手続とは違い、裁判所を通すことなく借金の負担を減らすことが出来ます。
任意整理は、借金総額が少ない方に適した方法であるため、利用者も多く最もポピュラーな債務整理の方法です。
任意整理手続は、個人でも行うことが出来ますが、弁護士・司法書士といった法律の専門家に依頼をして行うケースが一般的です。
それでは、任意整理を専門家に依頼した場合のメリットとデメリットを確認しておきましょう。
任意整理のメリット
- 支払い督促がストップする
- 将来利息のカット
- 元金が減る場合もある
- 財産を手放す必要がない
- 裁判所を通さない
- 時間や手間がかからない
- 周囲に知られることはない
支払い督促がストップする
弁護士・司法書士に依頼すると、その日の内に貸金業者に対して受任通知(介入通知・債務整理開始通知)を送付するため、支払い督促は即日でストップします。
貸金業者(消費者金融)には、貸金業法と言う法律が適用されるため、受任通知を受け取った場合は、法律に従って取り立てを止めなければいけません。
貸金業法21条1項は、以下のとおり、貸金業者による取立て行為の制限を定めています。
貸金業法第21条1項
貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。
第9号 債務者等が、貸付けの契約に基づく債権に係る債務の処理を弁護士若しくは弁護士法人若しくは司法書士若しくは司法書士法人(以下この号において「弁護士等」という。)に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとり、弁護士等又は裁判所から書面によりその旨の通知があつた場合において、正当な理由がないのに、債務者等に対し、電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は訪問する方法により、当該債務を弁済することを要求し、これに対し債務者等から直接要求しないよう求められたにもかかわらず、更にこれらの方法で当該債務を弁済することを要求すること。
これに違反した場合は、2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。
これは、貸金業者だけでなく、債権回収会社(サービサー)からの取り立ても同様です。
債権管理回収業に関する特別措置法第18条3項
債権回収会社は、債務者等が特定金銭債権に係る債務の処理を弁護士又は弁護士法人に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとった場合において、その旨の通知があったときは、正当な理由がないのに、債務者等に対し、訪問し又は電話をかけて、当該債務を弁済することを要求してはならない。
将来利息のカット
任意整理を依頼すると、経過利息・将来利息を免除(カット)、遅延損害金の減額や免除(カット)をしてもらえるように、弁護士・司法書士が貸金業者と交渉を行います。
債権者に対して元金を完済することを条件に、経過利息・将来利息などの免除について交渉することになります。
元金の返済が必要になるため、毎月一定な収入があることが条件となります。
元金が減る場合もある
グレーゾーン金利で取引をしていた場合は、利息制限法に従って引き直し計算をすることで、元金が大幅に減る可能性があります。
また、過払い金があることが明らかになった場合は、過払い金返還請求を行うことで支払ったお金が戻ってくることもあります。
【関連ぺージ】 過払い請求とは
財産を手放す必要がない
自己破産をした場合は、財産の多くを差押えられ、それらをお金に換えて債権者に分配されることになります。
一方、任意整理の場合は、財産を手放す必要はありません。
裁判所を通さない
個人間の交渉による手続であるため、裁判所に出向く必要はありません。
一方、自己破産や個人再生などの手続きは、当事者が裁判所に足を運ぶ必要があります。
時間や手間がかからない
専門家に任意整理を依頼すると、手続に要する時間や手間がかからないというメリットがあります。
和解交渉から和解成立、過払い請求などの一連の手続を全て代行してもらえるので、面倒な作業をする必要はありません。依頼から和解成立までに要する期間は、3~6ヶ月程度である場合が一般的です。
また、任意整理の手続き期間中は、債権者に支払いを行う必要はありません。
周囲に知られることはない
任意整理を行った事実が家族・職場に知られることはありません。
弁護士・司法書士には守秘義務があり、プライバシーを守るために最大限尽力してくれるため、第三者に情報が洩れることはありません。
また、自己破産などのように、官報に載ることもないので安心して依頼することが出来ます。
任意整理のデメリット
- 一定期間、クレジット・ローンを組めなくなる
- 借金減額効果が少ない
- 必ず和解交渉が成立するわけではない
- 依頼費用が発生する
一定期間、クレジット・ローンを組めなくなる
任意整理をすると、その事実は信用情報機関に異動情報(金融事故情報)として登録されるので、一定期間はクレジットカードを作ったり、ローンを組むことが出来なくなります。
この場合の一定期間とは、通常、貸金業者と交渉の上和解が成立した時から5年間を指します。俗に言うブラックリストと呼ばれる状態のことです。
当然、その間は貸金業者から新たな借入れを行うことは出来ません。
借金減額効果が少ない
任意整理は、債務を圧縮し、月々の返済負担を減らすことが目的の債務整理手続です。
そのため、裁判所で免責が認められれば借金がゼロになる自己破産に比べて、借金の減額効果が少ないと言えます。
また、個人再生や特定調停と言った、その他の債務整理手続に比べてもその効果は少ないと感じるかもしれません。
ただし、債務者本人の借り入れ状況や期間などによって変わってくるため、一概には言えない部分もあります。
必ず和解交渉が成立するわけではない
任意整理は、必ずしも成功するとは限りません。
比較的少ないケースですが、中には和解が成立せず、交渉が決裂する場合があります。
貸金業者側が交渉に応じてくれなかった場合や、貸金業者との交渉で条件に関して折り合いがつかずに決裂してしまった場合は、最終的な和解に至らないため失敗となります。
債権者である貸金業者との間で和解が成立しない場合は、そこで手続は終了となります。
債務者の方は、現状、返済が立ち行かないわけですから、自己破産や個人再生等の法的手続をとらざるを得ないことになります。
依頼費用が発生する
任意整理を弁護士・司法書士に依頼すると費用が発生します。
費用については、分割払いや後払いに対応している事務所も多いため、現在まとまったお金がないという方でも安心して相談できます。
ただし、任意整理を専門家に依頼する際は、現在の債務額を考慮した上で選ぶことをおすすめします。
司法書士が代理人となれる案件は、一社の債務額が140万円以内に限られます。
一方、弁護士は扱える金額に制限がないので、債務額が140万円を超えている場合でも受任してもらえます。
【関連ぺージ】 債務整理費用の相場について
2回目の任意整理をする上での注意点

2回目の任意整理は、1回目に比べて難易度が高くなります。
しかし、任意整理による債務の減額が成功しないというわけではありません。
難しくはなりますが、きちんと正しい理解に基づき手続きを踏めば、借金の総額と毎月の返済額を減らすことが出来ます。
また、基本的にどの弁護士・司法書士事務所も任意整理が2回目であることを理由に受任を断ることはありません。
2回目の任意整理を行うにあたり、次の点に注意しておきましょう。
前回任意整理をした債務を完済している
以前に任意整理をした経験のある方が、二度目の任意整理をする際に注意すべき点としては、前回の借金を完済しているかどうかです。
前回、任意整理をしたにもかかわらず、再び毎月の支払いが滞ってしまった場合は厳しいかもしれません。
任意整理手続は、当事者間の合意に基づいた交渉です。負担を減らして返済しやすくなったのに、それが履行出来ないというのでは、2回目の交渉は難しくなります。
債権者側も、前回の交渉時において妥協できるギリギリのラインで和解契約をしているわけですから、その約束を反故にされたとあっては厳しい対応に出ざるを得ません。
逆に、任意整理の結果、返済が楽になったことで完済することが出来たという人であれば、交渉が再びまとまるケースが多いようです。
つまり、債権者に返済実績を認めてもらうことが出来れば、2回目でも成功する見込みは高まるということです。
前回と違う債権者であれば成功する場合も
同じ債権者に対して再び任意整理を申し出ても、完済していない場合は、2回目の任意整理に応じてもらうのはかなり難しいでしょう。
しかし、任意整理の申し出を行う債権者が1回目と違う場合は、問題なく交渉に応じてもらえる場合が多いようです。
任意整理は、あくまでも二者間での契約のため、基本的には違う業者であれば行うことが可能です。
2回目は、早めの対応を心がける
返済期間が長期化すれば、それだけ金利負担が増えることになるため、支払う借金の総額も膨らみます。
借金総額が大きくなればなるほど、解決は困難になります。ギリギリまで苦しむことのないようにして下さい。
再び返済不能に陥らることのないよう、あらかじめ時間的な余裕を持って依頼をすることをおすすめします。
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