任意整理による借金減額
任意整理は、将来利息や経過利息、遅延損害金のカット(免除)を前提とした交渉を債権者(貸金業者)と行う手続きです。
利息・遅延損害金がカットされるということは、毎月の返済負担が大きく減ることになります。
つまり、債権者と和解した場合は、元本だけの返済で済むということです。

和解後は、通常、3~5年をかけて完済を目指します。
また、貸金業法の改正前に借りていた場合は、利息制限法による引き直し計算により大幅に減額されることもあります。
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任意整理は、自己破産のように借金の返済義務が免除されるわけではなく、あくまでも返済負担の軽減を目的とします。
比較的債務総額が小さい場合に選択される借金減額方法ですが、最も利用者が多くポピュラーな債務整理手続きとして知られています。
任意整理による借金減額効果

かつては出資法と利息制限法にグレーゾーン金利という金利帯が存在しました。
当時の消費者金融が採用していた出資法の上限金利であるところの年29.2%を利息制限法の年20.0%(法定金利)に引き直し計算することで、借金を大幅に減らすことが可能でした。
また、複数の貸金業者から長期間の借入をしていた場合は、過払い金が返って来ること少なくありませんでした。
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2010年6月に改正貸金業法が施行されたことで、現在、グレーゾーン金利は撤廃されています。

現在ではどの貸金業者も法定金利内での貸付を行っているため、かつてのような大幅減額は期待できなくなっています。
しかし、任意整理をすれば将来利息や経過利息、遅延損害金などのお金のカットが期待できるため、毎月の返済負担が軽くなります。
また、法定金利内での借入も任意整理の対象です。
さらに、複数社からお金を借りている場合はもちろん、借り入れ先が1社のみというような場合でも行うことが可能です。
カードローンやキャッシングでお金を借りていて、毎月の返済が苦しいと感じている方は、任意整理で無理なく返済してみませんか?
任意整理の減額事例
任意整理による、「かつての減額事例」と「現在の減額事例」を見ていきましょう。
かつての減額事例
借入先 5社
債務総額 280万円
任意整理前 | 任意整理後 | 過払い金 | |
---|---|---|---|
A社 | 100万円 | 0円 | 30万円 |
B社 | 70万円 | 50万円 | 0円 |
C社 | 50万円 | 37万円 | 0円 |
D社 | 30万円 | 28万円 | 0円 |
E社 | 30万円 | 15万円 | 0円 |
借入先 5社
減額 150万円
過払い金 30万円
280(万円) – 150(万円) – 30(万円) = 100(万円)
残債総額 100万円かつては、任意整理をすることで、大きく借金が減額される事例が数多く見られました。
借入期間が長期化している方の場合は、戻ってきた過払い金により、借金が無くなるだけでなくプラスに転じることもありました。
ただし、弁護士・司法書士に依頼した場合は、着手金などの受任費用や過払い成功報酬などが発生します。
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また、任意整理は、債権者との交渉によるものであるため、必ずしも成功するというわけではありません。
和解に至らず、交渉が失敗する場合もあることを理解しておきましょう。
現在の減額事例
借入先 4社
債務総額 180万円
任意整理前 | 任意整理後 | 過払い金 | |
---|---|---|---|
A社 | 80万円 | 65万円 | 0円 |
B社 | 50万円 | 32万円 | 0円 |
C社 | 30万円 | 10万円 | 0円 |
D社 | 20万円 | 18万円 | 0円 |
借入先 4社
減額 55万円
過払い金 0円
180(万円) – 55(万円) = 125(万円)
債務総額 125万円上記の事例の場合、過払い金が発生していないため大きな減額は見込めませんが、任意整理前に比べると月々の返済負担は少なくなります。
任意整理後は、3年(もしくは5年)を目処に、無理のない範囲で返済を続けていくことが可能となります。
また、専門家が案件に介入することにより、債権者からの督促・請求がストップし、一定期間にわたって返済をする必要が無くなる点も任意整理を行う上でのメリットだと言えます。
もちろん、現在でも過払い金がある場合は、債務残高が大幅に減額する場合もあります。
過払い金が発生している場合は、時効の関係もあるので早めの相談が大事になります。
毎月の支払い負担が大きくなり、返済に困った時は任意整理をはじめとする債務整理手続きを検討してみることをおすすめします。
借金問題について、良く分からない点や不安な点があれば専門家に相談するのが解決への近道です。
多くの司法書士・弁護士事務所が相談無料で対応しているので、気軽に問い合わせることができます。
話を聞いてもらうことで、家族や周囲に打ち明けることが出来ず、抱えていた不安を解消できるかもしれません。
また、相談時には、適切な解決策を提案してもらうことも可能です。一人で悩まず、いち早い生活再建を目指しましょう。