目次
リボ払いについて
リボ払い とは、カードローンやクレジットカードの返済方法の一方式です。正式名称は「リボルビング払い」です。
商品購入金額や利用件数にかかわらず、毎月指定する支払い元金と利息を約定返済日に支払うことになります。
つまり、分割払いとは異なり、毎月の返済額がほぼ一定になるという特徴があります。
買物や借入れなどによる債務の額(支払残高)に応じて、毎月の支払額(元本返済額と手数料額の合計)があらかじめ決められています。
現在、カードローンやクレジットカードのリボ払いが原因で、返済不能に陥る方が増えています。
「返したいけど返せない。」「返済の目処が立たない。」など、リボ払いでの返済に困っている方は任意整理という方法があります。
任意整理は、借金の減額を貸金業者やカード会社と交渉することで、返済を容易にすることが出来る手続きです。
このページでは、リボ払いの危険性と借金の軽減方法を紹介しています。
リボ払い の種類
一口にリボ払いと言っても、様々な種類があるため、それぞれの違いをよく把握しておく必要があります。
リボ払いは、「元利」と「元金」、「定額」と「定率」、そして、「残高スライド」という仕組みをそれぞれ組み合わせて用いられます。
元利 | 元金と利息を合算した合計支払額を毎月支払うことになる。 |
---|---|
元金 | 毎月決まった額を元金の返済に充当し、利息を加算して支払うことになる。 |
定額 | 毎月の返済額を、決まった金額で指定する。 |
定率 | 毎月の返済額が、借入残高に応じた割合で決定される。 |
残高スライド | 残高に対して返済額が段階的に変動(スライド)する仕組み。 |
リボ払いは、大きく次の全8種類で構成されています。
- 元利定率リボルビング方式
- 元金定率リボルビング方式
- 元利定額リボルビング方式
- 元金定額リボルビング方式
- 残高スライド元利定額リボルビング方式
- 残高スライド元金定額リボルビング方式
- 残高スライド元利定率リボルビング方式
- 残高スライド元金定率リボルビング方式
では、各リボ払いの方式を見ていきましょう。
元利定率リボルビング方式
元利定率リボルビング方式とは、元金に利息を合わせた金額に対して、一定の割合を支払う返済方式です。
元利定率リボルビング方式を採用している代表的な消費者金融会社としては、アコムがあります。
元金定率リボルビング方式
元金定率リボルビング払いとは、借入残高に一定の割合(定率)を乗じた額を元金に対して、借入残高に応じた実質年率を乗じた利息が加算されます。
元金定率リボルビング方式を採用している代表的な消費者金融会社としては、アイフルがあります。
元利定額リボルビング方式
元利定額リボルビング払いは、借入元金に利息を合わせた額に対し、一定金額を返済していく返済方式です。
月々の支払額が変動せず一定ですが、返済額に利息が含まれるため、月々の元金返済額が分かりにくいというデメリットがあります。
また、返済が長期化しやすいため、返済総額が大きくなるという特徴があります。
元金定額リボルビング方式
元金定額リボルビング方式は、月々の返済額に利息を含まず、返済額は毎月一定です。
元金に締日時点の利用総額から計算した利息を加えて返済することになります。
リボ払いにおいて、毎月の支払額とは別に手数料を加算する方式で、ウィズアウト方式とも呼ばれます。
残高スライド元利定額返済方式
残高スライド元利定額返済方式は、残高スライド方式の代表的な返済方式です。
元金に利息を合わせた金額に対して、借入残高に応じた一定の金額を支払うことになります。
残高スライド方式のため、借入残高に応じて、毎月の最低支払金額が変動します。
残高スライド元利定額返済方式は、カードローンやキャッシングで広く採用されている返済方式です。
アイフルは、元金定率リボルビング方式だけでなく、残高スライド元利定額返済方式も採用しています。
リボ払い の危険性
リボ払いは、月々の返済額は一定ですが、借り入れ回数が多くなればなるほど、返済期間も長くなります。
そのため、返済期間が長くなれば、その分、利息の総額も大きくなります。
また、返済総額が分かりにくくなるので、どれくらいお金を借りているのか把握しづらいというデメリットもあります。
つまり、リボ払いを選択するということは、クレジット会社やカードローン会社に余計なお金を支払い続ける恐れをはらんでいると言えます。
そもそも、リボルビング(revolving)と言う言葉は、「巡ってくる、循環、回転する、回転式の」などの意味を持つ言葉です。
ハムスターやネズミが、走って”回し車”を延々と回し続けるように、一歩間違えば、長期間に渡って返済を続けることになり、いつまでもゴールに辿り着けない危険性を有しています。
債権者である貸金業者側にとっては、債務者が滞りなく延々と返済を続けてくれさえすれば、何もしなくても自動的に利息を手にすることが出来るため、濡れ手に粟のビジネスだと言えます。
利用者側からすれば、月々の支払いが少額なので負担が少ないと感じるかもしれませんが、その感覚は非常に危険です。
たとえ月々の返済が少額であっても、度重なる借入れや買い物をすれば、借金(債務)の総額が分かりづらくなります。
支払っても支払っても借金が減らないというケースも少なくありません。
つまり、どれくらいの期間に渡って、どれくらいの金額を返済しなければならないのかが不明瞭になり、気づけば多重債務に陥っていたという事態になりかねないのです。
リボ払いは一回の返済金額が少額なため、元金が一向に減ることなく、ほとんど金利手数料を支払い続けることになります。
残債の一括返済(繰上返済)も可能ですが、借金総額が大きく膨らんだ場合は、それもなかなか難しくなります。
TVやネット、新聞、雑誌などで、消費者金融や銀行カードローンのCMを見る機会も多いかと思いますが、カードローンのほとんどは返済方式に、このリボ払いを採用しています。
現在、銀行カードローンが社会的に大きく問題視されていますが、消費者金融もまた、利用者をリボ払いで借金漬けにすることで、雪だるま式に利息を得ています。
リボ払いの金利
リボ払いの金利(実質年率)は、一律ではありません。
クレジットカードの利用、カードローンの利用でも変わってきますし、業者によっても異なります。
クレジットカードの金利(実質年率)は、年利15.0%前後に設定しているケースが多く見られます。
カードローンの金利(実質年率)は、消費者金融系と銀行系で異なります。
消費者金融系カードローンは年利18.0%、銀行系カードローンは年利14.0%前後に設定しているケースが多いようです。
クレジットカード | 年利15.0%前後 |
---|---|
消費者金融系カードローン | 年利18.0% |
銀行系カードローン | 年利14.0%前後 |
このように、リボ払いは、長期間に渡って高い金利を支払い続けることになります。
リボ払いの借金は債務整理で解決

リボ払いの恐ろしい点は、返済期間が長期化しやすいことです。
つまり、何年間にも渡って、高い金利負担を強いられます。
自分の身の丈に合わない支払いを続けていると、借金苦に陥るのは火を見るより明らかです。
事実、クレジットやカードローンのリボ払いによる、借金の相談は現在も後を絶ちません。
しかし、リボ払いによる借金は、任意整理や自己破産などの手続きをとることで解決する事が出来ます。
任意整理
弁護士や司法書士に、借金整理(債務整理)の相談をした場合、任意整理の提案を受けるケースが一般的です。
任意整理は、借金総額が小さい場合に適した債務整理手続きです。
弁護士・司法書士がカード会社や貸金業者と交渉をすることにより、債務負担を軽減することが可能となります。
任意整理では、これまでの借入残高が減ることはありませんが、将来利息がカットされるため、今後の返済が大幅に楽になります。
例えば、借入残高が150万円あり、月々3万円ずつ返済を続けている人なら、トータルで50万円程度の減額が見込めます。
このように、任意整理は、今後も返済する意思のある方に向けた手続きです。
そのため、任意整理手続きは、毎月一定の収入がある方が対象となります。
【関連ぺージ】 任意整理とは
自己破産
自己破産は、債務者の財産を換価処分することで得た金銭を債権者に配当する手続きです。
裁判所に申し立てを行い、免責の許可を受けることで、支払い義務が無くなります。
つまり、現在ある全ての借金をゼロにすることが出来る手続きです。
ただし、自己破産手続きを選択し、「管財事件」になった場合は、所持している高額な財産の多くが差押さえに遭います。
また、信用情報機関に事故情報として掲載されたり、官報に掲載されるなどのデメリットもあります。
自己破産は、借金が無くなるという大きな効果を持つ反面、受けるデメリットも大きいのが特徴です。
【関連ぺージ】 自己破産とは
クレジット会社やカードローン会社との取引が長期間に渡る場合は、借金総額が大きく膨らんでいるケースも多いため、自己破産の選択を薦められる場合があります。
まとめ
現在では、ネットの普及もあり、リボ払いの恐ろしさは広く知られるようになりました。
しかし、弁護士や司法書士へのリボ払いによる借金相談は、今なお数多く寄せられているようです。
これは借金問題に限らず、大方のケースに当てはまることだと言えますが、何事も” 相談は早めに “行うようにしましょう。
なぜなら、事態が悪化した後では、取り得る対処の選択肢が限られてくるからです。
問題が深刻化する前であれば、適切な対応を取ることが出来ます。
一人で抱え込んで悩んでいても、借金問題が解決することはありません。
そして、問題は先延ばしにしないことが重要です。
借金のことで少しでも不安や気になることがあれば、すぐに専門家に相談してみることをおすすめします。
あなたの行動が、より良い未来を作るきっかになるはずです。