借金とローン
借金 と ローンは、どちらも同じ行為を指す言葉として世間では認識されています。
確かにどちらもお金を借りる行為を指す言葉ではあるのですが、厳密には意味が異なります。
このページでは、借金とローンの違いや融資との違いについても説明しています。
借金
説明不要かもしれませんが、借金とは、お金を借りる行為を指します。
つまり、負債(債務)を意味するため、借り手側から見た言葉だと言えます。
「借金をする」と言った場合は、借り手側の行為を表します。
ちなみに、お金を借りる際に「借金をする」とは言いますが、「ローンをする」という言い方はあまり適切ではありません。これについては後述を参照。
借り手側が日常会話で使う場合は、「ローンを組む」「ローンで購入する」などと用いる場合が一般的です。
借金のイメージ
借金は、ローンに比べてネガティブな印象を持つ言葉かもしれません。
「サラ金に借金が100万円ある」「国の借金は1100兆円を超える」などという言葉に良いイメージを持つ人は少ないはずです。
事実、世間的にも消費者金融などでお金を借りるのは、マイナスのイメージで捉えている人が多いのではないでしょうか。
自分が借金をしている場合、他人にその事実を話すのは気が引ける、知られたくないと思うのが一般的な感覚だと思います。
ローン
ローン(loan)とは、貸し付け・貸付金を意味する言葉です。
つまり、債権を指すものであるため、貸し手側から見た言葉であると言えます。
たとえば、カードローンや住宅ローンは、消費者金融や銀行などの金融商品を提供する側が用いる言葉です。
そのため、本来は借金と同じ意味で使うのは適切ではないと言えるかもしれません。
ローンのイメージ
『借金』という言葉にあまり良いイメージはありませんが、『ローン』と言った場合には少し印象が違ってきます。
中でも、目的ローン(目的別ローン)は、特定の目的に対するローン商品であるため、ややポジティブな意味合いを持ちます。
個人向けの目的ローンには、住宅ローン、自動車ローン、教育ローン、リフォームローン、医療ローンなどがあります。
たとえば、住宅ローンは、マイホームの購入という家族の夢を叶えるのために利用するので、比較的、他人にも話しやすい類のものであると言えます。
ある目的を達成するためにお金を借りることは、時として必要なことなので、決して悪いことではありません。
その一方で、カードローンをはじめとするフリーローンは、使用用途に制限がないため、目的ローンとは様相を異にします。
つまり、カードローンは、一般的な借金と同じことなので、あまりポジティブなイメージを受けるものではないかもしれません。
- 目的ローン・目的別ローン … 資金使途が特定の目的に限定されたローン商品
- フリーローン … 資金使途に制限がなく、使いみち自由なローン商品
ローンと言う言葉が、若干ポジティブな印象を持つのは、特定の目的に利用する目的ローンのケースだと考えることが出来ます。
また、ローンは、融資と言い換えることも出来ます。
融資
融資もまた、ローンと同じ意味を持つ言葉です。
金銭を必要とする者にお金を貸し、資金を融通することを一般に「融資する」と言います。
個人間での金銭の貸し付けも広い意味では融資ですが、一般的には、金融機関が利息を得る目的で行う貸し付けを指すことが多いようです。
ローンと融資の違い
結論から言えば、ローンと融資に大きな違いはありません。
ただし、一部ではローンは個人向け、融資は法人・企業向けという認識があるようです。
しかしながら、ローンにも中小企業や個人事業主向けのビジネスローンや法人ローンが存在します。
また、前述の通り、友人・知人などの個人間での金銭のやり取りも融資(個人間融資)と呼ぶ場合があります。
どちらにも共通しているのは、貸し手側が用いる言葉であるということです。
また、どちらも利息を得ることを前提としてるため、ビジネス的な意味合いが強いと言えるかもしれません。
融資はお金を貸すという行為そのものを指し、ローンはそれに基づく商品(サービス名)としての意味合いが強いと考えることが出来ます。
そのため、融資はローンを包括している言葉だと言えます。
まとめ
借金とローン(融資)は、行為を行う対象によって使い分けるこが出来ます。
借金は「お金を借りる」行為なので、借り手(債務者)側から見た言葉です。
ローン・融資は「お金を貸す」行為なので、貸し手(債権者)側から見た言葉です。
ただし、実社会では厳密に区別されて使われているわけではないので、あまり気にする必要はないはずです。
ローンという言葉も借金と同じく、お金を借りるという意味で使われているのが実情です。
とはいえ、言葉の本来の意味を理解しておくことも大事なことかもしれません。